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三次元模型実験は、本研究で考案した立方体形状のFBHPが5基独立状態で水面に設置された場合、着想通りの基本的消波性能を有するか否かを確認するために実施した。
水槽実験は、長崎総合科学大学船舶海洋試験水槽の水面に、一辺が0.8mの立方体形状の模型を入射波側に3基、透過波側に2基、およそ模型の一辺の間隔でそれぞれ独立に係留して実施した。
5基の模型は水槽のほぼ中央に、3基及び2基が並んだ方向の軸が規則波の進行方向と直角になるように係留されている。実験時の係留状態としては、二次元模型実験と同様に、横漂流のみを拘束し、運動自由の係留状態(F-Cond.とする)と運動がほとんど拘束される緊張係留状態(T-Cond.とする)の2状態とした。それぞれの実験状態をFigs.12、13に示す。
供試模型は耐水ベニヤ製であるため浮力が大きく、最上部の平板の下面を静水面と一致させるために、最下部の平板に重量調整用の重錘を配置した。
実験は波高一定(15cm)とし、波周期は約09秒から2.2秒(λ/B=1.5〜9.5)の範囲で、0.1秒間隔で行った。
実験では、Figs.12、13に示すように、模型の入射波側と透過波側8.0mの水槽中心線上に配置したサーボ式波高計を用いて、入射波と透過波をそれぞれ計測した。

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Fig.12 Arrangement of tank test(F-Cond.)

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Fig.13 Arrangement of tank test(T-Cond.)

(2)実験結果
実験結果は、透過波高を入射波高で除して透過係数CTを求め、λ/Bを横軸にとり図示した。
Fig.14に平行板型浮消波堤の三次元模型に関するF and T-Cond.での実験結果を示す。図中、○はF-Cond.でのFBHP-3D型、●はT-Cond.でのFBHP-3D型、◆はT-Cond.でのFBHP-3Ds型の模型に対するそれぞれの実験結果である。
平行板の間隔を平行板一辺の1/20にした模型に関するF and T-Cond.での実験結果をFig.15に示す。図中、○はF-Cond.でのFBHP-3D'型、●はT-Cond.でのFBHP-3D'型、◆はT-Cond.でのFBHP-3Ds'型の模型に対するそれぞれの実験結果である。

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Fig.14 Transmission Coefficient Curves of Twodimensional Condition

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Fig.15 Transmission Coefficient Curves of Twodimensional Condition

 

 

 

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